難病患者の就労

難病患者:4割が無収入 生活実態、初めて調査−−厚労省
http://mainichi.jp/life/today/news/20110529ddm041040134000c.html
原因が分からず完治が難しい難病患者のうち、4割以上が無収入の状態にあることが、厚生労働省の初の調査で分かった。また無職者のうちの約4割も在職中に発症して退職しており、調査を担当した国立保健医療科学院は「難病患者の経済環境が厳しい上、就労のサポートが不十分な実態がある。企業の理解を求め、離職防止に取り組む必要がある」と指摘している。

 調査はパーキンソン病や筋無力症などの難病患者32団体を通じて昨年10月、主に首都圏在住の5000人に調査票を送り、2203人から回答を得た(回収率44%)。国が難病患者の生活実態を調べるのは初めてで、今後実施する本格的な調査の予備調査として行った。

 調査によると、所属世帯で難病患者本人に「収入がある」のは57・1%で、「収入なし」は42・9%だった。

 また、仕事をしているかどうかの設問では、全体の約6割が「収入のある仕事をしていない」と回答した。

 無職になった経緯を問う設問では、31・8%が「在職中に発症し、離職」していた。「発症して休職し、職場復帰したが、離職した」人も7・9%に上り、合わせると4割近くが職を失ったことになる。

 同院は「一般と同様、離職すると世帯収入が落ち込む傾向が出ている」と指摘。有職者でも発症後に転職した人が19%おり「難病患者の経済支援を考える上で、就労支援は不可欠」と分析する。