ドロップシッピングで詐欺容疑

毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120303k0000e040205000c.html
ドロップシッピング:詐欺容疑で業者を初逮捕 警視庁
インターネット上の店舗で個人が業者に代わって商品を販売する「ドロップシッピング(DS)」商法を巡り、もうかると約束して契約者から現金をだまし取ったとして、警視庁生活経済課などは3日、インターネット関連会社「サイト」(東京都台東区)元社長、吉田実容疑者(41)を詐欺容疑で逮捕した。(中略)

 逮捕容疑は、「2〜3カ月で元は取れる」などと架空のもうけ話を持ちかけ、契約者からネット店舗のホームページ(HP)開設費名目などで現金をだまし取ったとしている。

 生活経済課によると、サイト社は07年設立。ネット広告やパンフレットで契約者を募集。ホームページ制作などの初期費用85万〜300万円を投資させ、同社が調達したテレビやゲームソフト、カップラーメンなどをネット上で販売させていた。

 販売価格は契約者が自分で決め、「卸値との差額が利益になる」と説明していたが、実際には、卸値が市場価格よりも高いケースが続出。さらに、サイト社が代行するとしていた広告宣伝といった販売サポートも行われず、売買が1件も成立しない契約者も多かったという。契約者から「解約に応じてくれない」などの苦情が消費者庁などに100件以上寄せられ、警視庁は10年5月、本社など数カ所を特定商取引法違反(不実の告知)容疑で家宅捜索していた。


 【ことば】ドロップシッピング

 英語で「直送」を意味する商品販売システム。業者側が▽インターネット上のサイト開設▽電化製品やゲームソフトなどの商品の仕入れ▽発送−−などを担当。「店主」に当たる契約者は、商品の値段設定などを行い、卸値との差額が収入になる。在庫を抱えないなど手軽さが受け、主婦やパートの副業として05年ごろから広まった。だが、実際には利益が出ないケースも少なくないとされ、サイト開設費用の返還など解約を巡るトラブルが多発。消費者庁は昨年10月に注意喚起の文書を公表した。