<電子書籍>世界標準、日本語も対応 EPUB縦書き可能に

電子書籍>世界標準、日本語も対応 EPUB縦書き可能に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101229-00000008-mai-bus_all

電子書籍標準化団体「国際電子出版フォーラム(IDPF)」の電子書籍の閲覧方式「EPUB(イーパブ)」が来年5月、日本語に正式対応することが28日、分かった。米アップルの「iPad」が採用するなど事実上の世界標準となっているが、日本語などの縦書きを想定しておらず、国内では普及していなかった。
日本語対応したイーパブを国内の出版社や電子書籍端末のメーカーが採用すれば、開発にかかる時間や費用を大幅に抑えられ、電子書籍のさらなる普及に道を開くことになる。

 日本電子出版協会が今年4月、日本語対応を提案。その後、IDPFから内諾を得た。日本電子出版協会は技術者を派遣し、日本語対応のためのプログラム作成に協力している。来年5月に完成予定のイーパブ3.0は、日本語の縦書きや句読点の禁則処理、ルビ表記などに対応する。同じく縦書きの中国語のほか、右から左へ書くアラビア語ヘブライ語にも対応する。

 米国の電子書籍市場は、米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」が火付け役となり急成長。10年の電子書籍市場は前年比3倍超との試算もある。

 一方、日本国内はシャープが開発した「XMDF」や日本企業ボイジャーの「ドットブック」などが混在。互換性がないため、出版社はそれぞれの方式で書籍のデジタル化を進めている。

 インターネット検索最大手のヤフーと集英社は来春販売する電子書籍の漫画にイーパブを採用した。しかし、国内の大手家電メーカーや書店、携帯電話会社は独自の提携戦略を展開。国内の大手出版社や印刷会社が書籍のデジタル化を容易にする統一規格づくりに乗り出していた。

 ◇ことば EPUB

 欧米の小説を電子化するために生まれ、画面の大きさに応じて文字数やレイアウトが自動的に変わる「リフロー」という機能が特徴。米アップル、米グーグル、ソニーが採用するなど海外で主流になっている。